房総単機旅団

原付による房総を中心としたツーリングレポートを中心に、青年から中年、そしてその先へと向かう4匹のおっさんの人生のアレコレを、房総単機旅団と名前だけは勇ましく緩やかに記録する。

江戸サイの起点へ

利根川から江戸川が分岐するところ、江戸川のはじまりの場所。すなわち江戸川サイクリングロードの出発地点。

休みを利用して、ここを見に行くことにした。

ついにサイクルウエアなるものを入手したので(アマゾンなら上下セットで3800円弱で買えたので…)これを試したいというのと、自分的にいつもより長く走りたいというのとで端まで行ってみることにしたのだ。

朝は多少モタモタしてしまい、遅めの九時出発。

天候は曇りで気温は三十度以下、やや南風の追い風状態。コンディションはベストに近い。音楽を小さく流しながら、ほとんど休みもとらずに快調に走る。

サイクルウエアなので、ザックは背負っていない。これがとても楽だと実感。背中のの三つのポケットには、携帯、財布、ハンドタオル、目薬、ティッシュくらいしか入れていないが、位置が絶妙で、走行姿勢にあると荷物の重さをほぼ感じられないようだ。一度この背中ポケットの利便性を知ってしまうと後戻りできないと言われるが、なるほどなるほど。あまり入らないので、工夫が必要だけれども…今回はワイヤーキーを忘れてしまったな。

パンツもこれ一枚で人前を走るという何とも情けない感覚はあるのだが、こういうモノなんで、かなりしっかりとしたパッドが入っている。これは安心感がある(慣れないとやっぱり尻は痛くはなるんだけれど…)。

装備の力もあり、今まで折り返していた幸手市の26号をはじめて越える。その先、江戸川の始点まではほんの数キロしか存在しなかった。あっけないほどに。

そして、そこにはお城が建っていた!なぜ、城?

近くまで行って看板を見ると「千葉県立関宿城博物館」とある。江戸川の始点には博物館があったのか。

お城をくるっと巻いてその先の道が途切れる地点まで走る。江戸サイの始点(と思われる場所)を踏みしめると、反転して博物館の木陰のベンチで休ませていただくことに。

ここまでで要した時間がわずか二時間半。まだ午前十一時半。

楽勝だったな~とこの時は本気で思ったのだが、いつも自分の場合、後半に苦難が待っていることが多い…。本日もそう。



草ぼうぼうの中をかき分けてサイクリングロードに戻ると「マムシ注意」の看板が…遅いって!ぞぞ~!危なかったかも…。

帰路を走り始めるとすぐに、曇り空から晴天に変わる。そして強い南風が吹き始めた。

コンディションは一転して相当キツイ状態になった。おそるおそる走り出したが、ものの半時ほどで軽い熱中症のような状態に陥ってしまう。

お盆の時期が最もこの危険度が高い。朝が曇っていたので油断してしまった。

寒さには強いけれど、暑さには今一つのオイラ…。

水分をとりつつ、風に逆らってゆっくりと進む。アパートまで35Km地点の公園まで走って休もう。そこまでは休める日陰は存在しない。

川沿いのサイクリングロードは遮蔽物が無いので、日陰がほとんど存在しない。水道も少ない。特に埼玉に入ったあたりからは無いに等しい。土手の高さがあって、下界に下りてい行くのもなかなかにたいへんな場合も多い。

20km近くをだましだまし走ったのだが、炎天下の無理が祟り、体調は一挙に悪化してしまった。

公園の日陰でしばし動けなくなる。アパートまで自走できるのだろうか?通常時なら特に意識する距離ではないのだが、この時は遥か彼方の無謀な距離に思えた。

最悪、ワゴンタクシーでも呼ばねばならないのか?そんなことまで考える始末だった。

凍らせてきたアンパンも喉を通っていかない。ゼリー状の携帯食にすべきだったと後悔。このままではハンガーノックまで重なってしまう。

自販機でスポーツドリンクを補給した際にコーラを購入し、一気に飲む。炭酸飲料はスポーツ時には向かない。しかし、自転車の場合は一気に飲んでしまえばそれほど悪影響は出ないように思える。どころか、この時はこの一本が自分の命を救ったようにさえ思われる。コーラの糖分その他がエネルギーとなり、再度走り出すことができたのだから。そういえば何年か前にも同じ経験をした。コーラはエネルギーとして優秀だ。

ここから先はとにかく日陰があれば必ず休憩をとることにした。走りながら自己分析をすると、脚力にはまだ余裕があるようだ。エネルギーも、ハンガーノックに陥るほど深刻ではない。暑さのダメージが大きいのだから、体温が上がり過ぎないように注意しつつ走れば帰れるだろう。

暑さに耐えて、橋の下などの日陰まで走って、しばし体温が下がるまで休憩。この繰り返し。短い時には数百メートルの単位でも休憩。千葉県に入ってからは日陰も水道もたまになら存在するので、すかさず休憩&水道水を補給。

周りを見ると走っているヒトはほとんどいない。それはそうですよね~ …来年は気をつけよう。覚えていれば。

四時近くなると、漸く日差しが弱まってくる。もう大丈夫と自分に言い聞かせてヨタヨタと走る。

なんとか生還できたものの、帰りは行きの倍以上の時間がかかっている。アパート着は五時過ぎだった。

自転車のチェーンを磨いたりして部屋に入れると、その後冷房の中で一時間ほど気絶。

目が覚めるとほぼ元気に家事ができるレベルまで復活していた…良かった、単純で頑丈な構造で…。

走行距離は大したことなく、108.8Km。総走行距離は計画したかのようにぴったりと、2,000Kmに到達。

来週末、霞ヶ浦リベンジと思ったけど、やーめた!もちっと涼しくなってからにしよー!

少しだけ賢くなったw