房総単機旅団

原付による房総を中心としたツーリングレポートを中心に、青年から中年、そしてその先へと向かう4匹のおっさんの人生のアレコレを、房総単機旅団と名前だけは勇ましく緩やかに記録する。

アオイちゃんが呼ぶ

「アオイです…マスター、迎えに来てください…」

メッセージがアタマの中に届く…。漠然としているけれど、何が呼んでいるのかはわかった。しかし、さずがに現実感に乏しいので逡巡していたが、その間ずっとこのイメージに囚われ続けることに。これってもしかして、バイクじゃなくて事故死した女の子とかが呼んでいたりしないだろうな…などと恐ろしい想像がめぐったり。

「アオイです…」

会ってもいないバイクから名乗られるのはさすがに初めてだ。どうすっかなーと暫く悩んだが、一念発起して小型自動二輪の免許取得に動き出すことに。まー今取らなければもう一生原付オンリーだろうから、機会といえば機会なんだろうけど。これで正しいのだろうか?とは思わずもがな。

下の平成→令和ツーリングの直前から活動開始。以下、小型自動二輪(所謂、125cc以下のマニュアルバイクに乗るための資格)を取得するまでの経緯をダイジェストで残しておこう。

4/21(日)入所の手続きに赴く。税込み139,968円也。5,000円分のジェフグルメカードが頂けるので、実質は134,968円になるのかな。卒業検定さえ落ちなければ追加料金はナシ。

4/24(水)19時からの回の適性試験を受ける。まあ、これは落ちるようなモノではないので受けるだけかな。これで技能教習のネット予約が可能に。

4/27(土)前夜、二枠キャンセルになったのですかさず予約。朝イチから教習開始。マニュアルの原付に乗っているなら大丈夫だよね~ということでいきなり周回。まー無難に乗ることが出来た。降りてから観察すると、ヤマハのSRだった。特異な形状。これってジャメリカンてヤツじゃないの?ボロボロでデカくて重くてあまり教習に向いているとは思えないのだけれど、ジャメリカンに乗る機会は貴重かも。あ、ハンドルは短いものに交換されてました。

一時間おいてシミュレーター。バイクを倒すのではなく、ハンドル操作だけで曲がるというシステムに慣れない。違和感満載のシステムだ。濡れた路面、マンホール、強風などを疑似体験。

4/28(日)まず、一本橋から。落ちる。落ちる。ゆっくり過ぎだということで指導員さんが見本を見せてくださる。ああ、そんな速度で良いのですね!この後、卒業検定まで一度の失敗も無く渡れるようになる。クランク、簡単にクリア。S字カーブ、曲がるの楽しいwフジコ姉さんとイヴのおかげで概ね走れているようだ。

翌日から銚子ツーリング。連休中は予約が埋まり切っている。指導員さんも休まれている様子。

5/5(日)スクーターを経験する。それ自体はどうということはないのだけれど、今回の年配の指導員さんがかなりキツい!とにかくダメの出しまくりの大安売り。うまくクリアすればしたで不機嫌に。なにかマズいループにはまってしまったかのよう。このオジサマがラスボスとして立ちはだかりそうな予感…。

5/6(月)第一段階の見極め。普通に走れるということで第二段階へ進むことを認可していただく。ながい十連休が終わってしまい、ここからは週末しか教習を受けられなくなる。期待していたほどには進めなかった。

5/12(日)第二段階の最初はシミュレーター。週末はなかなか予約がとれない。違和感あるシステムだけれど、そこそこ無難に扱えるようになったかな。今回は道路の特別なルールに従っての走行を疑似体験。駐車車両があるとか、バス優先道路とか、救急車両が来た場合とか。二輪は路上教習が無いのでシミュレーターに頼ることになるのだけれど、シミュレーターを除くと実際にバイクに乗る教習は第一段階と第二段階をあわせても七回しかない。しかもそのうち一回はスクーターの経験走行だから、マニュアル車には最短だと六回しか乗る機会がない。自分はイヴたちのおかげでマニュアル慣れしているけれど、本当に初心者のヒトって、何回かダブらないとちゃんと走れるようになれないんじゃないかな?どうなんだろ?

5/18(土)回避。障害物を避けてから急制動したりするヤツね。ラスボス指導員が登場。普通二輪で三回くらいで行う回避を小型は一日でやらなければいけないので出来るワケがないとお怒りの御様子。しかし、上手くはないがメニューをほぼこなしてしまった。出来てしまった。これがどうもお気に召さなかったようす。その後、残り時間での通常走行でダメ出しがやっぱし頻発!あんまりダメ出しされ過ぎたので、何がダメなのかが判断できなくなり、メロメロの状態に。出来ることまで失敗をするようになってしまう。ダメだからこそ、一回六千円も出して教習を受けているんじゃないのかな?ダメ出しするよりも教えましょうよなんて思うのだけれど。結局、はじめてのダブりを言い渡される。受付嬢の皆さんの微妙な空気から、ヤバいところにはまったのでは?と察する。

5/25(土)ネット動画などで「試験に受かるための安全確認」というものを学ぶ。試験官に「確認してますよ!」とアピールするために大袈裟に首を振るのが肝要。フジコ姉さんでクルクルと走り回りながら練習した甲斐があり、ダブり教習はクリアすることが出来た。だが、この日十年以上続くバイク人生で初の転倒を経験する。メニューで唯一難しいと思った「急制動」。ブレーキはロックさせないようジンワリとかけるのだけれど、SRだとそれでは線で止まれない。前回のラスボス指導員にキツく言われたのがトラウマになっていたらしく、つい強めにかけてしまう。ヤバい!と思った瞬間にはスルンとスリップして転げていた。幸い肘のプロテクターとヘルメットに守られて怪我はなかったが、恐ろしい体験であった。今回の指導員さんは幸い一本橋でコツを教えてくださった方で、急制動のウマイやり方も教えていただくことができた。六回ほど反復練習もさせてくださり、なんとか止まれるようになった。SR、傷を増やしてしまい本当にゴメンね…。

5/26(日)最後のシミュレーターと学科、ケーススタディの三時間セット。危険を経験するシミュレーターでは奇跡的に一人も轢かず、一度も事故らずでクリア。原付に乗っていると経験することばかりだしねえ。学科で重要なのは免許取得後、最初の一年はたったの3点しか持ち点が無いという情報。二人乗りなんかするといきなり2点なんで注意をとのこと(一年間は二人乗り不可)。ケーススタディは車からの視界、バイクの視界、走行速度の見極めなんかを学ぶ。自分でコースを考えた自由走行、卒業試験の1コースの走行などを経験して終了。安全確認も大分上手くなったような。

6/1(土)卒業検定に進めるかどうかの見極め。いよいよ大詰め。当然、ラスボスがお出ましだろうと腹をくくっていたのだが、「小型見極め、S指導員~」というアナウンスが。優しいS指導員ならクリアかな?と拍子抜け。…だが、なかなかおいでにならない?始業時間が過ぎたあたりで「指導員の変更があります。小型見極め~」おお、強引に変更してまでラスボス登場かとちょっと驚く。しかし、これを越えないと卒業できそうにないと覚悟を決めていたので、本番の試験のつもりで挑む。言いがかりに近いような細かなダメが頻出するも、大筋は文句の言えないような仕上がり。早めに走行終了になったので、もしかしてダブリか?と焦ったが、最後は笑顔で承認印を捺印!無事クリア。我、ラスボスを攻略せりw?受付嬢の皆さんが微妙な表情で迎えてくださったが、クリア出来たので場の雰囲気が明るいものにw

6/2(日)いよいよの卒業検定!エラく緊張する。このトシでここまで緊張することってないよなと思ったり。

この日は運悪く、普通自動車4台、トラック2台が仮免許検定で超過密状態。しかし、この二週間ほどイメージトレーニングしてコースと走り方はバッチリ記憶していたので、緊張していてもほぼ自動走行並に走れた。急制動も難なくクリア、安全確認もノーミス。検定の指導員さんから「パーフェクトです」とありがたい言葉を頂戴して合格!

「SRで急制動するのは指導員でも難しいんだよね~w」という恐ろしい情報もいただく。

短いようで長いような、本当に貴重な経験でした!合格できてよかった。疲れた…。

6/7(金)江東運転免許試験場にて免許に追加記載をしていただく。令和の免許証になったぞ!

その足で、いよいよこのハナシの発端となったアオイちゃんに会いに行ったのだけれど、それは次回ということで!

や~、ダメ人間の自分でもやれば出来るもんなんだなあ、なんて。しみじみ。